大学入試問題演習

空所補充問題の攻略2(2020 立教大学 全学部 part2)

ハニー先生

さらに空所補充問題にチャレンジしてみましょう。

アル君

まだまだ自信ないです。。。
よろしくお願いします。

ハニー先生

語彙力に自信がない場合は、下記にある「今回のボキャビル」で先に単語を確認してからチャレンジしてくださいね。

次の空所(2)を補うのにもっとも適当なものを,イ~ニから1つ選びなさい。

The route to the chocolate chip cookie began in Mexico around 1000 BC. The Aztecs brewed a chocolate ceremonial drink, xocoatl, meaning “bitter water,” made from ground cocoa beans. In the Nahuatl dialects of Mexico, xocoatl became chocolatl. Spaniards introduced the New World drink to Europe, ( 2 ) chocolate remained a beverage until 1828.

(2) イ.that ロ.what ハ.when ニ.where

答えは…

ニ.where です!

ハニー先生

解法に入る前に前回の復習からスタートしましょう。空所補充の問題には3パターンあるのを思い出してください。どのパターンかわかりましたか?

空所補充問題の3大パターン

空所補充問題 3大問題パターン

① 知識を問う問題 (単語・語法・熟語)

② 英文の型を問う問題  (文法・構文・英文解釈)

③ 文脈を問う問題 (トピック・ロジック)

アル君

思い出しました。でも問題を見ても、どのパターンなのかわからないです。。。見抜く方法がありますか?

ハニー先生

いい質問だね。
今回は解法の前にどのパターンかを識別する方法について説明します。
どのパターンかは選択肢に注目するとある程度わかることが多いですよ。

問題パターン識別法

空所補充問題 問題パターン識別法

選択肢に注目!

① 前置詞・副詞・単語の選択肢 → 知識問題

② 同意語(特に動詞)の変化形の選択肢
  同機能の品詞の選択肢 → 英文の型問題

③ 異義語の選択肢
  ディスコースマーカーの選択肢 → 文脈問題

アル君

難しいです。。。

ハニー先生

ゆっくり解説しますね。

では、まず選択肢を見ていきましょう。今回の選択肢は以下の4つです。

イ.that  → 接続詞・関係代名詞・関係副詞 
ロ.what → 疑問詞・関係代名詞
ハ.when → 疑問詞・接続詞・関係副詞
ニ.where → 疑問詞・関係副詞・接続詞(比較的レア)

それぞれ様々な品詞と使い方がありますが共通点があります。
どの使い方でも必ず「文」と「文」を繋ぐということです。

ポイント1 【文法】疑問詞・接続詞・関係詞の共通点

疑問詞・接続詞・関係詞 = 文と文をつなぐ接続詞

つまり文と文を繋ぐことができるという点で「機能が同じ」ということですね。同機能の品詞が羅列されているので、この問題は②英文の型(文法)が問われている問題パターンだとわかります。このことを念頭に入れて始めましょう。なお、疑問詞・接続詞・関係詞で接続された文のかたまりを「節」といいます。

解法

ポイント2 【文法】that・what・when・whenの特徴

that  完全文(接続詞・関係副詞の場合)
      不完全文(関係代名詞の場合)
what → 不完全文
when → 完全文
where → 完全文

この問題を解く上で大事な視点があります。それぞれの節の後に続く文は上記のような特徴があるということです。

この問題の空所(2)の後の文を見てみると、
Spaniards introduced the New World drink to Europe, ( 2 ) chocolate remained a beverage until 1828.

S(主語)・O(目的語)・C(補語)・前置詞 + O(前置詞の目的語)の不足がない「完全文」がきていますね。したがって、空所(2)に入れることができるのはこの時点で、that・when・whereに絞られます。また、空所(2)の直前にはEuropeという場所を表す名詞があり、(2)から後はヨーロッパの補足説明になっていることから、関係副詞のthatかwhereに絞られます。

アル君

「完全文」・「不完全文」ってよく聞くけど、よくわからないです。。。

ポイント3 【文法】完全文・不完全文の考え方

完全文 → S(主語)・O(目的語)・C(補語)・前置詞 + O(前置詞の目的語)がある。

不完全文→ 上記のいずれか1つがない

whatとwhenの例文を使って解説します。

★ whatの例文 
What made you so happy? 【疑問詞】
(何があなたをそんなに喜ばせたのですか。)
What do you want to do? 【疑問詞】
(あなたは何をしたいのですか。)
③ This is what I want.  【関係代名詞】
(これこそ私が欲しかったものです。)

①の例文はwhatの後に続く文には、madeに対する「S(主語)」がありません。また、②・③の例文はwhatの後に続く文には、doやwantに対する「O(目的語)」がありません。このようにwhatは疑問詞の場合も、関係代名詞の場合も原則、その後に続く文は「不完全文」がきます。

★ whenの例文 
When did you eat lunch?  【疑問詞】
(あなたはいつ昼食を食べましたか。)
② I was studying when Tom came into my room. 【接続詞】
(トムが私の部屋に入ってきた時、私は勉強していた。)
③ Do you remember the day when we played tennis together. 【関係副詞】
(一緒にテニスをした日のことを覚えていますか。

whenの例文に関しては、①・②・③すべてwhenの後にくる英文は続く文には、S(主語)・O(目的語)・C(補語)・前置詞 + O(前置詞の目的語)の不足がありません。このようにwhenはいずれの場合でも原則、その後に続く文は「完全文」がきます。

ここで最後のポイントです。

ポイント3 【文法】that(接続詞・関係詞)の2つの禁止事項

1 ,(コンマ) + that  は不可
関係代名詞・副詞のthatは原則「非制限用法」は不可

2 前置詞 + that  は不可
接続詞・関係代名詞のthatは原則前置詞の後で使用不可
以下の2つの表現は例外
in that ~ 「~という点で」(接続詞の慣用表現)
except(but) that ~ 「~という点を除いて」(接続詞の慣用表現) 

空所(2)の直前を見ると、
Spaniards introduced the New World drink to Europe, ( 2 ) chocolate remained a beverage until 1828.

直前に,(コンマ)があるためthatは使えません。従って答えはwhereで確定になります。

アル君

意味だけではなく、それぞれの選択肢の特徴を知って、
前後の形から判断する問題なんですね。

ハニー先生

特に最後のthatの禁止事項を知らない場合が多いので
覚えておくといいですね。

今回のボキャビル

route 起源
BC 紀元前
Aztecs アステカ人
brew 醸造する
ceremonial 儀式的な
ground(grindの過去分詞) 挽いた(挽く) 
cocoa beans カカオ豆
dialect 方言
Spaniards スペイン人
introduced A to B AをBに紹介する
remain 残る
beverage 飲み物

和訳例

チョコレート・チップ・クッキーの起源は、紀元前 1000 年頃にメキシコで始まりました。 アステカ人は、挽いたカカオ豆から作られたチョコレートの儀式用ドリンク、「苦い水」を意味する xocoatl を醸造しました。 メキシコのナワトル語の方言では、xocoatl は chocolatl になりました。 スペイン人は新世界の飲み物をヨーロッパに紹介し、そこでチョコレートは 1828 年まで飲み物として残っていました。

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ハニー先生
英語教育に携わり20年以上の経験と実績があります。 これまでの経験をもとに、英語学習・特に大学受験英語に悩む高校生・受験生・保護者の皆様に有益な情報を提供したいと思っております。