大学入試問題演習

空所補充問題の攻略4(2020 立教大学 全学部 part4)

ハニー先生

引き続き空所補充問題にチャレンジしてみましょう。

アル君

前回に引き続きチョコチップクッキーの起源の話ですね。

ハニー先生

そうです。必要な場合は、下記にある「今回のボキャビル」で先に単語を確認してからチャレンジしてください。

次の空所(4)を補うのにもっとも適当なものを,イ~ニから1つ選びなさい。

Legend has it that the first chocolate chip cookies were baked around 1930 at the Toll House Inn, on the outskirts of Whitman, Massachusetts. Built in 1708 as a tollgate for travelers halfway between Boston and New Bedford, the house was purchased in the late 1920s by a New England woman, Ruth Wakefield, and renovated as an inn. In her role of resident cook and baker, Mrs. Wakefield ( 4 ) chocolate pieces to her basic butter cookies, creating the Toll House Inn cookie, which would become a national product.

(4)  イ.added       ロ.increased      ハ.replaced        ニ.took

イ.added(加えた)  ロ.increased(増加した) ハ.replaced(交換した)    ニ.took(取った)

答えは…

added(加えた) です!

ハニー先生

では解法です。大きなヒントがあります。
気づくことができましたか?

解法


(4)の文を見てると、
In her role of resident cook and baker, Mrs. Wakefield ( 4 ) chocolate pieces to her basic butter cookies, creating the Toll House Inn cookie, which would become a national product.
となっています。

赤字の部分はMrs. Wakefield(S) ( 4 )(V) chocolate pieces to her basic butter cookies, creating the Toll House Inn cookie
S V~, Ving・・・となっているので分詞構文です。

記号について
S → 主語 V → 動詞  O → 目的語 C → 補語

文末の分詞構文は、基本的に前文の補足説明になっていることがほとんどです。

従って、以下のような考え方ができます。

ポイント1 【解法】文末分詞構文=補足

文末分詞構文 ➡ 前文の補足説明 

S V~  , Ving・・・(補足)

ポイント2 【読解】文末分詞構文のロジック

文末分詞構文のロジック

S V~(A) , Ving・・・(B)
前文(A) , 文末分詞構文(B)

 
➡ A = B (イコール)
A(原因) → B(結果)(因果)
A(結果) ← B(因果)(因果)

この英文の場合、以下の関係が成り立ちます。

Mrs. Wakefield ( 4 ) chocolate pieces to her basic butter cookies, (A)

creating the Toll House Inn cookie, (B)
(トール・ハウス・イン・クッキーを作り出す)

トールハウスクッキーはチョコレートチップクッキーのことなので、Aの内容はチョコレートチップクッキーと作るとほぼ同じ内容になればいいですね。

さらにAの英文にはもう1つヒントがあります。ここで語法の知識が必要になります。

ポイント3 【語法・熟語】V A to B の語法

add A to B ➡ AにBを加える 

Mrs. Wakefield ( 4 ) chocolate pieces to her basic butter cookies.となっています。
そして(4)にaddを入れると、「チョコ片を基本的基本的なバタークッキーに加える」となり、「トール・ハウス・イン・クッキーを作り出す」とほぼ同じ内容(A = B)の関係になります。

アル君

考え方はわかったのですが、
文末の分詞構文が補足になる理由をもう少し詳しく知りたいです。

ハニー先生

では、分詞構文の基本から確認してみましょう。

ポイント4 【文法】分詞構文の基本(訳し方)と考え方

分詞構文とは簡単に言うと「接続詞」と「主語(S)」を省略し、「動詞(V)」を分詞(Ving/p.p~)に変えて文と文をつないだ表現です。


従って、本来あるはずの「接続詞」や「主語」を補って考えればいいのですが、大きく分けて分詞構文が「文頭・文中」にある場合と、「文末」にある場合の2パターンに分けられます。

文頭・文中の分詞構文の訳し方 
( Ving/p.p~, S V … or S, Ving/p.p~, V … )
➡  「~して」「~しながら」「~なので」など
※ 時 / 理由 / 付帯状況 / 条件 / 譲歩 など

文末の分詞構文の訳し方 
( S V …, Ving/p.p~)
➡  「そして~」「~しながら」「~なので」など
※ andの省略 / 付帯状況 / 理由 など

記号について  Ving → 現在分詞 p.p~ → 過去分詞

例文で確認してみましょう。

★文頭の分詞構文
Living in the city, we have a lot of amusements.
都会に住んでいるので、娯楽がたくさんある」【理由】
Admitting he is smart, I dislike him.
頭がいいのは認めるが、私は彼が嫌いです」【譲歩】
Compared with her sister, she is small.
姉と比べると、彼女は背が高くない。」【条件】

★文中の分詞構文
④The children, seeing their teacher, ran away.
「子供たちは、先生を見て、逃げ出した」【時・理由】

分詞構文はもともと曖昧な表現です。訳し方に明確なルールがあるわけではありません。前後の文脈が繋がりさえすれば訳し方にこだわる必要はありません。文頭や文中にある場合は「~して」でだいたい繋がりますが、ロジックとしては様々です。
 

それに対して文末の分詞構文も見てみます。

★文末の分詞構文
① The huge hurricane hit our city, causing a lot of damage.
「巨大なハリケーンが我々の街を直撃し、大きな被害をもたらした」【andの省略】
② Tom shook hands with his friends, smiling brightly.
「トムは明るく笑いながら、友だちと握手をした。」【付帯状況】
③ The boy ran away, seeing the police officer.
「その少年は、警察を見て、逃げ出した」【理由】

文末にある場合も同様なのですが、文末の場合は「andの省略」「付帯状況」「理由」になっていることがほとんどです。そこから以下のようにまとめることができます。

ポイント5 【読解】分詞構文のロジック

文頭・文中の分詞構文 ➡  ロジックは様々

文末の分詞構文 ➡ 
andの省略 → A = B (イコール)
        A(原因) → B(結果)(因果) 
付帯状況  → A = B (イコール)
理由    → A(結果) ← B(原因)(因果) 

ハニー先生

「and」は「そして」と訳すことから順接で、イコールの関係になることもあれば、因果になることもあります。付帯状況は言葉通り、状況の付け加えですからイコール関係になりやすいです。理由の場合、andとは逆の因果関係になることにも注意してください。
 いずれにせよ前文の補足であることは同じなので、文末の分詞構文が問題を解くヒントになることに気づければOKですよ。

アル君

文末の分詞構文は大きなヒントなんですね!

今回のボキャビル

legend 伝説
have it that S V ~ ~と言う、述べる
bake 焼く
outskirt 郊外
tollgate 料金所
halfway 中間・途中
between A and B AとBの間
purchase 購入する
late 1920s 1920年代後半
renovate 改装する
inn 宿
role 役割 
resident 常駐の
cook 料理人
baker パン職人
piece 片・ピース
national 全国的な
product 製品

記号について

S → 主語 V → 動詞

和訳例

伝説によると、最初のチョコレート・チップ・クッキーは、1930 年頃、マサチューセッツ州ホイットマン郊外のトール・ハウス・インで焼かれました。 1708 年にボストンとニュー・ベッドフォードの中間にある旅行者の料金所として建てられたこの家は、1920 年代後半にニューイングランドの女性、ルース・ウェイクフィールドによって購入され、旅館として改装されました。 常駐の料理人およびパン職人としての役割で、ウェイクフィールド夫人は基本的なバタークッキーにチョコレート片を追加し、全国的な製品となるトール・ハウス・イン・クッキーを作成しました。

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ハニー先生
英語教育に携わり20年以上の経験と実績があります。 これまでの経験をもとに、英語学習・特に大学受験英語に悩む高校生・受験生・保護者の皆様に有益な情報を提供したいと思っております。